研究課題/領域番号 |
04650187
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
塩路 昌宏 京都大学, 工学部, 助教授 (80135524)
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研究分担者 |
山根 浩二 京都大学, 工学部, 助手 (10210501)
池上 詢 京都大学, 工学部, 教授 (70025914)
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キーワード | 乱流拡散燃焼 / CFDシミュレーション / 濃度不均一 / 確率過程論モデル / 内燃機関内燃焼 / 窒素酸化物濃度 / 希薄燃焼 |
研究概要 |
本研究では確率過程論の手法をCFD(数値流体力学)シミュレーションに適用することによって、汎用性の高い乱流燃焼の予測法を開発することを目的とし、前年度に得られた知見に基づいて数値シミュレーションの方法の確立および予測計算を試み、次の事項を実施した。 1.不均一濃度分布を考慮した排気中一酸化窒素NO濃度の予測 往復式内燃機関内燃焼過程を実測シリンダ内圧力経過を基にした熱力学モデルによって記述し、NO生成量の時間変化を化学動力学計算によって求めた。これによって、NOの排出濃度を100ppm以下に低減するためには初期に燃焼する量論混合気の比率を4%以下にする必要があること、燃焼領域を撹伴して熱および物質を混合すれば燃焼ガスの温度上昇が抑えられてNOxを低減できること、燃焼室内に一様な濃度の空間的不均一分布があれば混合気希薄化によるNO低減は小さいため燃焼開始までに燃料-空気の乱流混合を促進する必要があることなどを示した。 2.火花点火機関内のNO生成量の予測 三次元CFDガス流動シミュレーションプログラムの燃焼モデルに化学反応速度を考慮し、とくに比較的反応速度の遅い一酸化窒素生成反応の予測を試みた。計算格子内平均温度を用いた結果ではNO生成量が低く見積られることを確認し、確率過程論モデルを導入して局所温度を記述する必要があることを示した。 3.確率過程論的手法の導入および予測精度の調査 計算差分格子内における燃料質量分率yの微視状態を確率密度分布PDFで表現し、その保存式を有限階差、完全陰解法で計算する方法を示した。この方法によって作成したプログラムを一次元および二次元乱流場に適用し、不均一性と乱流による微視混合を表現するためには一つの格子点についてモンテカルロ粒子数を20以上とする必要があることを示すとともに、流動を伴うより実用的な燃焼場の計算ができるプログラムを作成した。
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