研究概要 |
本研究は、気液二相流に微小粒子を混入し、液相内の速度分布を詳細に調べるためのマイクロトレーサ法の技術を確立し、流れ場の微視的構造の解明に応用することを目的としている。本年度は実験装置の製作と基本的な技術を確立するための予備実験に重点を置いて研究を進めた。 (1)幅20mm,高さ20mmのアクリル樹脂製長方形流路の測定部1mの区間に、液膜厚さ測定のためのコンダクタンスプローブを設置し、現有の空気-水系供給ラインに接続し、水平流で実験を行った。 (2)予備実験では層状流を対象とし、水素気泡法及びマイクロトレーサ法による速度分布の測定法について種々の検討を行った。 (3)CCDカメラをから画像処理システムを介してコンピュータに画像を取込み、データ処理を行い、トレーサ粒子について最適な粒径、混入割合等についての基礎的なデータを得ることに重点を置いた。 (4)水素気泡法は気液二相流の液相速度分布の可視化にも応用できることを確認した。 (5)液相に混入した微小なトレーサ粒子を、CCDカメラで撮影し、画像処理システムを介してコンピュータに取り込み、トレーサを追跡することが可能であることを確認した。 なお、さらに検討すべき課題は以下の通りである。 (1)粒径の小さいトレーサを使用した場合には、画像上で明確に識別することがむずかしく、照明方法、トレーサ粒子の種類等について、さらに検討する必要がある。 (2)液膜が非常に薄く、液相内に気泡を巻き込むような高速流れではトレーサと気泡の識別が困難であるため、その改善策が必要である。
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