研究概要 |
1.微量の炭酸ガスを含む水蒸気が鉛直平板上で凝縮する場合を取り上げ,混合気から液膜への炭酸ガスの吸収特性に関する数値解析を行った.そして,混合気主流における速度U_∞と濃度[CO_2]_∞および混合気‐壁面間の温度差ΔTが液膜内における炭酸成分濃度および液膜の比抵抗に及ぼす影響を検討した.主な成果は (1)液膜内における炭酸ガスおよび重炭酸イオンの濃度は凝縮の進行につれて増大する.そして,これらの濃度はU_∞が大きく,[CO_2]_∞およびΔTが小さいほど低い. (2)液膜表面から凝縮液内部への炭酸成分の取り込みは主として対流によってなされ,拡散の影響は小さい. (3)凝縮液の比抵抗はU_∞が大きく,そして[CO_2]_∞およびΔTが小さいほど大きい.そして,これらのパラメータが比抵抗に及ぼす影響は[CO_2]_∞が大きいほど顕著である. 2.蒸発部と凝縮部が一体構造となった矩形容器を製作した.最大加熱量は3KWである,さらに,凝縮管には外径25.4mm,長さ400mmの表面処理が施されたステンレス管を用いた.すでに,温度および伝熱量の測定精度の確認を終了し,超純水用の各種のフイルタを用いた原水処理法を検討中である.
|