研究概要 |
本研究の内容はいくつかに分けることができる.冷却剤に注目すれば,空気と水に分けることができ,加熱方法に注目すれば,ふく射と対流に分けることができる.また,裏面の条件は,一様流と衝突噴流(空気使用の場合)に分類できる.これらの条件の組合わせのうち,空気を冷却剤に使用し,ふく射のみによって加熱される場合については,裏面から一様にしみ込ませる場合と,裏面に噴流として衝突させる場合については実験的研究と理論的研究を終了し,両者のよい一致を確かめることができた.また,水を冷却剤として使用する場合は,ふく射のみによって加熱する場合の研究はほぼ完了した.この場合も,実験結果と理論結果の一致は満足すべきものであった.これらの研究成果の一部は既に口頭で発表され,また,近く発表を予定している.次に残された分野はふく射のみでなく,ふく射と対流によって加熱される場合の,冷却剤として空気あるいは水を使用した場合のしみ出し冷却である.一般的に,当然ふく射面温度と対流温度は異なるので,その代表温度をどのように定義するかが問題となる.平成4年度に行った研究においても,ふく射を行う面の温度は(閉じた空間を構成する)面によって異なるが,この場合も,それらの代表温度を定義したので,その経験が役立つと思われる.空気を冷却剤として使用する場合は,伝熱板の裏面から空気を一様にしみこませる場合と,噴流として衝突させる場合について研究を行う.この分野に関しては,本年度(平成4年度)多孔盾板に空気を衝突させてしみ込ませた場合の熱伝達を実験的に研究し,ある程度の成果が得られたので,それを来年度の研究に使用することができる.
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