研究概要 |
本研究は,パーソナルコンピュータ上で電界最適化を構築することを目的としており,その実現のためにまずCADを用いた自動電界解析システムを確立し,次に電界最適化アルゴリズムを考案した.さらに,この最適化アルゴリズムに従い事例研究を行い,汎用性について検討を加えた.最後に,電界の最適性の実検証を行い,併せて最適化高収束手法の開発と適用性検討を行い,本システムの実用性の確認を行った. 具体的には,以下に示す通りである. (1)電界解析ソフトとして電荷重畳法を,CADソフトとしてパソコン2次元CADの選定を行った.ここでは,併せて電荷重畳法の精度確認・改良も行った. (2)CADと電界解析プログラムとをパソコン上で結合させたシステム(CADEF)を完成させた.この中で自動電界解析を行うための領域自動認識や電荷配置の知的ルール化などの新しいアルゴリズムを導入した. (3)電界の最適化を行うための基本アルゴリズムを考案し,電界最適化プロトタイプの開発を行った.また,従来のものが有する欠点を改良することを考え,特に最適化に際しての電極形状の変化方向・領域の自由度の拡大をめざした.同時に,連立一次方程式の解法に改良GAUSSの方法を考案し適用した結果,計算時間の大幅な改良を達成することができた. (4)このプログラムを用い,実電力用機器内の代表的絶縁設計部分による電界最適化事例研究を行った.これにより,最適化の諸条件の汎用化を行った. (5)電界最適性の検証方法の考察を行い,等電位面を利用した手法の開発を行った.これを用いることにより,最適化収束の高速化を達成する事ができ,パソコン上において電界最適化が実用できることを,総合的に確認した.
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