研究課題/領域番号 |
04650246
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
大久保 利一 大分大学, 工学部, 助教授 (00094061)
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研究分担者 |
金沢 誠司 大分大学, 工学部, 助手 (70224574)
野本 幸治 大分大学, 工学部, 教授 (90037953)
足立 宜良 大分大学, 工学部, 教授 (20035041)
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キーワード | NOx / NOx除去 / エアロゾル / コロナ放電 |
研究概要 |
コロナ放電を利用したノズル付きパイプ放電極系のNOx除去装置を試作し、その高効率化と基礎特性について、主に実験により調べた。本装置では、ノズルからアンモニアを含む添加ガスを導入して、放電化学反応によりNOxをエアロゾルに変換して捕集する方法を用いた。特に今回、立ち上がりの極めて速いナノセコンドオーダーの極短パルス波形の効果を調べるため、極短パルス電源の試作を行った。現在、極短パルス波形がNOx除去率に及ぼす効果について検討中である。 本研究では、ノズル電極から吹き出すアンモニアガスの濃度及び添加ガスの種類がコロナ放電モード及びエアロゾル生成効率に及ぼす影響についても実験的に検討を行った。コロナ放電特性及びコロナ放電モードは添加ガスの流量や成分により大きく影響を受けることが分かった。本研究では、実用上の観点から添加ガスとして、空気に微量のアンモニアおよびアルゴンまたは、電気的負性ガスである二酸化炭素を添加した。その結果、コロナ放電特性は、ある電圧範囲において、印加電圧の上昇に対してコロナ電流が減少する特異な特性を示すことが分かった。 電圧電流特性に関連して、印加電圧の上昇に対してコロナ電流の減少する電圧領域でのNOx除去率は、コロナ電力が減少するのに対して、上昇を示し、きわめて高い除去率を示した。これらの結果に基づいて、NOx除去率および単位電力あたりのNOx除去量が大きく、かつ消費電力の小さい最適な運転条件が存在することを示した。また、実際の運転を考慮して、比較的長時間運転を行った場合の特性についても調べた。運転中はNOxの除去にともないエアロゾル粒子が平板電極及び放電極に付着する。この影響により、コロナ放電特性は履歴現象を示し、また、長時間運転すると大きく変化するが、比較的長時間電圧一定で運転を行っても、安定したNOx除去特性を示すことが分かった。
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