研究概要 |
1,科研費により購入した超高真空油拡散ポンプが8月末に納入され,Eガン,基板加熱装置,シュラウドなどの組み込みを行い,高真空中でシリコンの分子線デポジションを行えるようにした。またガラス基板上への多結晶シリコン膜のデポジションを行い,成長速度,基板温度などをパラータとした成長実験を継続中である。 2.ガラス基板上にプラズマCVDにより形成した厚さd=500A^^°およびd=1000A^^°のアモルファスシリコン膜にエキシマレーザ(KrF,248nm)を照射しアニール効果を検討した。d=500A^^°,d=1000A^^°の双方の試料ともエネルギー密度J=110mJ/cm^2付近から導電率が変化し始め,J=130mJ/cm^2付近で急激な導電率の変化を示した後飽和の傾向を示し,J=130mJ/cm^2付近で膜の融解が起こっていることが明らかになった。またJ=180mJ/cm^2を越えると膜が蒸発により局所的に消失してしまうため,d=500〜1000A^^°の膜のKrFエキシマレーザによるアニールにおけるエネルギー密度は100〜180mJ/cm^2の範囲に保つことが重要である。 3.2で述べたエキシマレーザアニールを行う際に,赤外線加熱により基板を200℃および300℃に加熱しながらアニールし,基板加熱の効果を調べたところ,基板温度が高い程導電率が増加することが分った。d=500A^^°の試科を300℃に加熱しながらアニールした試料ではホール効果測定の可能なものも得られ,J=150mJ/cm^2の照射で移動度が20cm^2/V・S,J=170mJで63cm^2/V・Sのものが得られた。基板加熱の効果はレーザ照射による触解・再結晶の過程で冷却速度が制御され,結晶粒の増大などを通してアニール効果を保進しているものと考えられる。
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