1.動画像処理用の高速、低遅延な再帰形2次元ディジタルフィルタを実現するために、画面を格子状の小領域に分割し、一方向リング結合マルチプロセッサを用いて、1プロセッサが1領域を処理し、領域間並列処理する。最左列より垂直方向に走査すると、一画面の処理開始より終了までの時間が短い。 2.処理法は、小領域の広さの広い範囲にわたって、零状態・零入力応答分離計算ブロック処理法が最も演算量が少ない。 3.単一状態方程式で表されるフィルタに対するシステムの最適設計 領域間と共に領域内並列処理も行う場合、システムの状態更新システムについて、係数行列の零要素を考慮し、処理負荷を均等に要素プロセッサに割り当て、要求されるスループットを最小数プロセッサで実現する諸パラメータを求めた。 4.上記システムをテキサスインストルメント(TI)社のC-40シグナルプロセッサのシミュレータでC言語により実現した。領域の形状は面積一定のとき、縦に長い方がスループットが高い。5.低次区間継続フィルタは、3.のシステムより演算量が少ない。この構成ではフィルタが多段となれば、それに比例して領域間並列度が上がり、フィルタの次数に関係なく必要なスループットが得られる。 6.継続フィルタをTI社のC-40のシミュレータでC言語により実現した。フィルタ1段1プロセッサの方が、全フィルタ1プロセッサより、段数倍スループットが上がった。
|