研究概要 |
研究目的に沿って、達成できた研究成果は次のように要約できる。 1)ディスク媒体における雑音特性は、規格化線密度Kがディジタル情報列の単位長Tbの2倍辺りまでは低域優位のスペクトルとなるが、3倍程度にまで達すると白色雑音に近付いて行く。同様な特徴はテープ媒体の場合にも見られるが、塗布型とMPやMEテープではかなりの違いが見られることを明らかにした。 2)2値非ブロック符号の代表例であるFM符号を詳細に分析し、MFMなどを含めたファミリー符号が30個存在することを示した。またこれら符号の中に最小ハミング距離が2の符号が8個、FM符号より優れたビット誤り率特性を示す符号が9個見い出された。特にFM・V14と名付けた符号はSN比で約9dBもの改善があることを示した。 3)Schareiderの記録等化方式はFMの裏パターンであるIFMのファミリー符号の中に含まれ、このファミリー符号には通信系(SS通信)でも有用な特徴を持つ符号が存在することを明らかにした。 4)3値ブロック符号に関しては、3B-2T符号と4B-3T符号をPRMLと組み合わせた場合、及び最適データ語割当を行った場合のビット誤り率特性を検討した。その結果、3B-2TとPR(1,0,-1)及びk制約を組み合わせた場合10^<-4>のビット誤り率で所要SN比が約21dBとなることが分った。このようなことから今後多値符号の研究に一段と拍車がかかろう。 4)光〓気記録については、サンプルサーボ方式の有用性を信号処理の観点から明らかにし、4/15符号及び4/11符号について具体的にその組み合わせに対するビット誤り率特性をPRMLを考慮して求めた。特に、差分検出は今後期待のもてる信号検出方式であることを示した。
|