1)多数の低軌道衛星を用いたグローバル通信ネットワークの構成論 低軌道を周回する複数の衛星を用いたグローバル通信ネットワークの構築について提案、検討を行った。本研究では衛星、軌道の配置法として対称軌道を用いた。地球を1つの球とみなし、5回対象軸に衛星を均等に配置したネットワークを仮定し検討を進めた。このネットワークについてアドレス方式及びルーチング方式を提案した。これらの方式について、理論解析と計算機シミュレーションにより、通信回線のスループット、遅延特性を求めた。その結果、低軌道衛星を用いたグローバル通信ネットワークのトラヒック特性を明らかにすることができた。 2)グローバル通信ネットワークを介したグループ作業特有の通信機構の解明 2.1)同報通信サービスの効率化:超大規模マルチキャスト交換網の将来有望なコピー網として再起的コピー網(Recursive Copy Network以下RCN)を提案した。本研究では、シミュレーションにより、RCNのセル損失率が低いこと、遅延特性は負荷の増加にあまり関係しないことを示した。さらに、RCNのバッファを大きくすることなくバッファオーバーフロー確率を低く抑えるフロー制御法を提案した。本フロー制御法は簡単に実現化でき、制御オーバーヘッドが小さいので高速ネットワーク環境に対応させるのは容易であることを示した。 2.2)並列処理を活用した多元接続アルゴリズム:4チャネル以上の場合でもスループットが低下せず、効率的にチャネルを利用できる並列衝突解消アルゴリズム(PCRA)を提案し性能評価を行った。PCRAはチャネル数が多い場合でも高スループットが維持できることを示した。 3)グローバル通信ネットワークを介したグループ作業における動的情報処理のモデル化とその解明 低軌道衛星を用いてコーザからの情報を収集するシステムの制御方式について検討した。
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