研究概要 |
1.並行プログラムにおける多重制御流れと多重データ流れを表現する標識付け有向グラフとして、非決定的並列制御流れネットと非決定的並列定義使用ネットを提案し、それらを用いて、Ada、Occam2、SRなどの並行プログラムにおける多重制御流れと多重データ流れを表現し、それらの有効性を確認した。 2.従来提案された逐次プログラムにおける従属性概念を用いたのでは表現できない並行プログラムにおけるプロセス間の同期と通信に関する従属性を新しい概念として定義し、これらの従属性概念に基づいて並行プログラムの新しい従属性モデルとしてプロセス従属ネットとプロセス支配ネットを提案した。また、並行プログラムの理解,最適化変換,テスト、デバッグ、複雑さ計測及び保守へのそれらの応用を示した。 並行プログラムを1と2で提案したモデルに変換するアルゴリズムを考案し、並行プログラムをその非決定的並列制御流れネット、非決定的並列定義使用ネット、プロセス従属ネット、プロセス支配ネットに変換するツール群を開発した。 4.従来提案された逐次プログラムのスライスとスライシングの概念を拡張し、並行プログラムの様々なスライスを提案し、並行プログラムのスライシングをそのプログラムのプロセス従属ネットまたはプロセス支配ネットにおける探索問題に帰着することができることを示した。 5.2で構築した従属性モデルに基づいて、並行プログラムの複雑さを定量的に評価する尺度を数多く提案し評価した。
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