研究概要 |
プログラム仕様など機械可読の文書を作成するには、記憶し易くて表現力に富んだ文法の構築が一般に必要であり、他方、ユーザはこの文法と用法に習熟しなければならない。またプログラム仕様の作成やプログラムの設計を行う場合、既成の基本モジュールを能率的に検索し活用するシステムを構築することが重要である。第3にこれらの文書を、ユーザに読み易い自動作成したコメント文付きなどの形で保存することが望ましい。これらの問題を解決すべく今年度の始めまで従来のオーソドックスな手法を試みある程度の成果をえた。しかしその後、上記の問題を基本的に大方解決する方法を見いだしいろいろな角度から検討を加えた。 1.命令やモジュールの機能を日本語文などで書いた簡潔な呼出文を機能毎に集め見出し辞書を作る。ユーザは見出し辞書を用いて機能毎に付けたキーにより、機能毎に呼出文を表示させ、必要な呼出文番号と引き数変数を入力する。システムは仕様の主要な処理対象のデータ構造や型をモジュールや命令のそれらと照合し、適用可能であれば、仕様文として登録する。これらの仕様から命令・モジール辞書によりいくつかの例についてCやコボルのプログラムを生成した。 2.複雑になり易い制御構造などを含む処理仕様は、図式化して表す方が箇条書きなどよりも見やすく誤りも少ない。このため各研究機関で構造化図による仕様やプログラム作成の手法が開発されているが、マウスなどを用いる手作業によっていて、仕様の修正変更などで非能率である。本研究ではif,forなどの仕様文の中の制御語をキーワードとして構造化図を描く手法を考案した。 3.ファイル処理システムへの本手法の適用について検討し、フレキシブルな実用化の見通しをえた。
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