研究概要 |
柔らかい平面状アプリケータとして,アンテナ素子およびグランドプレーンに銅メッシュを,誘電体に発泡ポリウレタンを用いて試作を行い,基本的な加温実験を行った結果,比較的広範囲かつ均一な加温分布を得た(1).電力分配装置を試作し,実験の操作性及び効率が格段に向上した(2).実験時の再現性を図るためにグランドプレーンに銅板を用いてアンテナを試作し,給電位相を変えた加温実験を行い,加温分布が一様となる位相条件を明らかにした(3). (1)広範囲な加温を行うため,給電点が多数設けられたアプリケータを用いて,寒天ファントムの加温実験を行った.従来の共振型のアプリケータでは,電界がアンテナ端部に集中し加温分布を均一にすることが困難であったため,非共振型の多点給電としてアンテナ素子全体で均一加温を図った.給電点数を変えて同位相で給電した加温実験で,給電点の数を増やすほど加温範囲が広がり,温度勾配の小さい均一な加温分布が実現されることを確認した. (2)電力分配器及びダミーロードを一体形の筐体に配置した,電力分配装置を試作した.この装置を用いると8分配までの任意の分配数を実現する事が可能である. (3)3点で給電するストリップ形のアプリケータを使用し,寒天ファントムの加温実験を行った.中央の給電点の給電位相の加温範囲に与える影響を測定した結果,中央の位相を約30°遅らせることによって,ほぼ一様な加温分布が得られる事を明らかにした.
|