平成4年度から5年度にかけての本研究において前年度における研究が主としてサーボ系構成法についての検討を進めたのに対して、最終年度においてはその成果を基にして新しい予見制御系構成法とサーボ系の時間目標値設計の問題を検討した。 (1)面積評価予見制御に関する研究 (2)ロボットマニピュレータの軌道計画に関する研究 (3)ロボット制御におけるファジィ推論とニューラルネットワークの適用に関する研究 いずれの問題においても経路の未来情報をいかに適切に利用するかが大きなポイントである。従来の予見制御が位置誤差を評価するものであったが、サーボ系の遅れが大きい場合には位置誤差の評価のみを行なったのでは充分な性能を得ることができない。そこで面積誤差という概念を導入し位置誤差と共に適切な重みをもって評価する方法を提案した。また前年度までに検討されたサーボ系の時間目標値を決定するための計画問題が重要である。すなわち、予見制御系との融合を意識した軌道計画等の問題解決が必要である。本研究で明快となったことはサーボ系構成と軌道計画が独立して行なわれるのではなく、それぞれのサブシステム間の干渉を充分考慮してそれぞれのサブシステムを設計すべきことである。 以上の研究により前年度におけるサーボ系構造法(予見機能を含む)と今年度における軌道計画問題へのアプローチを検討し、トータルシステムとしてのロボット制御システムの構成についての大きな進歩がはかられた。
|