研究課題/領域番号 |
04650372
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片山 徹 京都大学, 工学部, 教授 (40026175)
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研究分担者 |
鷹羽 浄嗣 京都大学, 工学部, 助手 (30236343)
酒井 英昭 京都大学, 工学部, 助教授 (70093862)
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キーワード | 線形システム理論 / 線形レギュレータ / スペクトル分解 / リカッチ方程式 / ディスクリプタシステム |
研究概要 |
本研究はデスクリプタ・リカッチ方程式を利用してH_2/H_∞最適制御およびH_2/H_∞最適フィルタリングに関する研究を行い、各問題の統一的な解法を与えることである。本年度得られた主な成果は次の通りである。 1。離散時間システムに関する研究 (1)デスクリプタ形式に基づく伝達関数の簡便な表記法を利用して、離散時間デスクリプタシステムの最適制御およびスペクトル分解に対する新しい方法を与えた。 (2)ハミルトン正準方程式に関連する一般化固有値問題の固有ベクトルを利用して最適ゲインを求め、かつスペクトル分解を実行する数値アルゴリズムを提案した。 (3)離散時間システムのH_∞フィルタリングに対するアルゴリズムを考案し、いくつかの数値例によりその有効性を確認した。本研究はゲーム論に基づいたものであるが、来年度実施予定のデスクリプタシステムのフィルタリング問題を研究するための基礎となる。 2。連続時間システムに関する研究 (1)連続時間デスクリプタシステムの線形レギュレータ問題に付いて考察し、新しい一般化リッカチ方程式を提案し、最適制御則を求める数値アルゴリズムを与えた。 (2)この結果を利用して、一般化代数リカッチ方程式(Generalized Algebraic Riccati Equation;GARE)を考案し、プロパーでない(分子の次数が分母の次数より高い)スペクトル密度行列の分解アルゴリズムを導いて、いくつかの数値計算によりその有効性を検討した。 (3)現在、GAREを利用したJ-スペクトル分解法とデスクリプタシステムのH_∞制御問題の研究しているが、本アプローチはかなり有望であることが分かってきた。
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