生産計画スケジューリングは、従来から種々の生産システムにおいて重要な問題であったが、製造工程の自動化を目指しているFMSやさらにそれを発展させたCIMを構築するためには、今後ますます検討しなければならない基本的課題である。しかし、この問題は数理的には組合せ最適化の一種であり、NP完全な問題として知られている難解な問題である。本研究は、この離散型生産計画スケジュール問題に対する新解法を考察した。 まず具体的事例として、組立加工ラインにおける製品投入順序問題を取り上げた。この問題では、機械の有休時間および作業者の待時間をなるべくゼロにすること、および生産目標を達成することの2つの目的を同時に考慮しなければならない。そのような問題に適用できるようにシミュレーティッドアニーリングおよび遺伝アルゴリズムの構成法を提案した。主要設備として購入したFAシミュレータを用いてこの事例のシミュレーションを行い、提案した解法の有効性を数値的に確認した。 次の事例として、石油パイプラインにおけるオートラインアップ問題に対する基礎的考察を行った。石油コンビナート内のオフサイトプラントではパイプラインのネットワークを使って、多くの始点、終点のペア間で定められた時間内に異なる種類の石油製品を輸送するスケジュールを作成しなければならない。これは、多始点・終点対をもつ並列経路選択問題とスケジューリング問題が混合した新しい型の問題である。しかし、このような問題の解法は見当たらない。本研究ではこの問題に分解法と遺伝アルゴリズムを併用し、この問題に対する遺伝演算子の構成法を提案した。また、シミュレーションにより、アルゴリズムが有効が問題の規模を調べた。
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