研究課題/領域番号 |
04650384
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
岩間 尚文 富山県立大学, 工学部, 教授 (30023253)
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研究分担者 |
服部 克巳 富山県立大学, 工学部, 助手 (60244513)
寺西 大 富山県立大学, 工学部, 助手 (50237004)
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キーワード | 計算機トモグラフィー / 少数投影 / AIC / GCV / 級数展開法 / 正則化法 / プラズマ撮像 / イオンビーム撮像 |
研究概要 |
投影角制限があるだけでなく、投影測定数自体が少ない厳しい撮像条件のもとに、対象物の断層像を得る計算機トモグフィーについて、線積分値データの計算機処理の観点から、特に赤池情報量基準(AIC)およびGenerilized Cross Validation(GCV)最小化基準を利用した像再構成の最適化の研究を行った。 AICおよびGCVを適用できる代表的な再構成法としてスプライン関数あてはめ法およびPhillips-Tikhonov正則化法をそれぞれ取り上げ、また、これらとの比較の対照として代数学的再構成法(ART)を採用し、主としてシミュレーションと計測データ処理による実験研究を行った。計測系の例として、名大工学部小型トカマック装置におけるプラズマ撮像のためのファンビーム型可視光検出系、および核融合科学研究所で準備されつつある重イオンビームの密度分布撮像のための平行ビーム型イオン電流検出系を扱った。その結果、像に対して偏りなく、全体にほどよく投影情報が得られているとき、再生像は良く、かつ、級数の最適項数において最小点を取るAICの正常な振る舞いが得られ、反対に、投影測定が偏るとか、視線の網に対して像が点光源的に過ぎるというような、投影情報が不十分なときに再生像もAICも破綻するという一般的な傾向が明らかになった。級数係数の推定精度が悪いとき、AICにおけるKullback-Leibler情報量の近似の精度が低下することに原因があるように思われる。この精度低下を補なうための赤池のベーズ補正を採用すると、AICの破綻が救われる傾向にある若干の実験例が得られた。一方、GCVは目的関数による正則化が有効な限り、投影数の減少に対して強いという結果が得られた。 研究実施のために計算機システムの整備を行なうとともに、名大工・カダラッシュ研究所の関係者と意見交換を行った。
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