研究課題/領域番号 |
04650390
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 英之 東京大学, 工学部, 助教授 (00196859)
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研究分担者 |
岡 徳昭 東京大学, 工学部, 助手 (80010891)
吉田 宏一郎 東京大学, 工学部, 教授 (90010694)
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キーワード | アクティブ制御 / 大水深 / 海洋構造物 / アクチュエーター / 弾性振動 / 流体力 / 設置技術 |
研究概要 |
平成6年度は本課題の最終年度であり、最終的なシミュレーション計算と実験模型を用いた実験を行った。シミュレーションおよび実験には、平成5年度に柔軟な構造物を想定して製作した実験模型を用いた。実験模型は剛円筒を5行5列に配置し、互いを細い柔軟な梁で結んだ平面的なものであり、面外に変形が大きく現れる形式の模型である。制御手法は主要な弾性モードの応答を制御しつつ、剛体モードの制御を行うことで構造物を軌道に沿って移動させ、目標位置に設置する制御である。弾性応答の制御では制御されていない高次モードの影響による不安定化を防ぐために、速度フィードバック(DVFB)により弾性応答全体の減衰を増す制御方式を併せて用いており、HAC/LACと言われる制御手法である。 シミュレーション計算では水槽底に置いた模型を持ち上げ、弾性応答を制御しつつ一定深度で高度を維持する基礎的なものと、柔軟構造物の設置を模擬し、目標軌道に沿って移動・方向転換させるものである。後者では弾性応答を制御しつつ原点から別の点まで移動し、方向を変え一旦保持した上で元の方向に戻した上で原点に戻すというものである。一定深度を保持する実験、目標軌道に沿わせる実験ともに十分な精度で行えることを確認した。 シミュレーションで良好な結果が得られ制御手法の有効性が確認できたので、さらに検討結果に基づいて実験を実施した。実験では不確実性や非線形性のある実環境中において制御手法が有効であることがためされた。高度維持は良好に行うことができたが、目標軌道に沿って移動させる実験では、平成5年度の予備実験で確認されたように、スラスターのノイズによるセンサー精度の低下という実験技術上の問題が残り、実験精度が若干低下したものの実験は有効に行われた。
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