1.理論的研究 (1)耐荷力に関する解析プログラムの開発:ひずみ硬化を考慮した圧縮板の弾塑性有限変位解析法を拡張して、種々の鋼材特性を考慮できる弾塑性有限変位解析プログラムを開発した。 (2)実験値の予測:材料試験により鋼材特性を把握し、載荷試験に用いる供試体の極限強度を予め推定することができた。 (3)鋼板要素のパラメトリック解析:鋼種をパラメータとした鋼板要素のパラメトリック解析を行い、その圧縮極限強度と変形能を明らかにした。さらに、その結果を踏まえて、圧縮補剛板の極限強度と変形性能を数値計算により調査した。 (4)重要パラメータの抽出:板要素ならびに補剛板の極限強度特性と変形性能より、これらの極限強度と変形能に支配的影響を与える断面および材料パラメータを抽出した。 2.耐荷力試験の実施 (1)供試体の設計と製作:鋼材特性を変化させた高張力鋼や従来鋼などの鋼材を用いて板の幅厚比、縦横比および境界条件をパラメータとした供試体を製作した。 (2)予備試験:供試体の初期たわみと残留応力を測定し、これらの特性を把握すると共に、数値計算の初期条件を明確にした。残留応力測定用供試体については別途製作した。 (3)載荷試験:本研究用に既に開発した載荷装置を用いて供試体の圧縮載荷試験を行った。破壊に至るまで、理論と比較し得る精密な実験データを収集、極限強度特性ならびに変形性能を実験的に明らかにした。 なお、理論的研究成果については、研究発表の項に記載した通り、国際会議で発表、ならびに土木学会が編集する論文集に登載予定である。
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