研究課題/領域番号 |
04650426
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
大塚 浩司 東北学院大学, 工学部, 教授 (10048803)
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研究分担者 |
後藤 幸正 東北学院大学, 工学部, 教授 (50005154)
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キーワード | X線造影撮影 / フラクチャ-プロセスゾーン / コンクリートの微細ひびわれ / 破壊エネルギー / ひびわれ開口変位 / 部材寸法 |
研究概要 |
X線造影撮影法を用いて、コンクリートのフラクチャ-プロセスゾーンを検出し、その性状を明らかにすることを目的とする研究を行った結果、本年度において得られた成果の概要は次の通りである。なお、当初、本年度は、前年度の実験の継続とともに、コンクリートの面内にん断を行う予定であったが、更に多くの継続実験が必要であったこと、また、新たに「フラクチャ-プロセスゾーンの性状に及ぼす供試体寸法の影響」について緊急に検討が必要になったこと等のために、「面内せん断実験」は十分にできなかった。 1.微細ひびわれ群の領域の進行方向と直角方向の幅は、粗骨材の寸法Gmaxが大きくなるほど広くなる傾向がみられた。その最大幅は、Gmaxが5mmの場合はその2.5倍程度であり、雲状の領域も含めると4.3倍程度であった。しかし、Gmaxが20mmの場合はそれらは1.4倍および2倍であった。 2.荷重-開口変位曲線の面積を、破壊面の投影面積で除して求めた、破壊エネルギーGfの値は、粗骨材の寸法が大きくなるほど増加する傾向が見られたが、それを体積で除して求めた破壊エネルギーWfは、粗骨材の寸法に関わらず、ほぼ一定値となった。 3.砂利を用いたコンクリートの場合の微細ひび割れ領域の幅は砕石コンクリートの場合よりもやや広くなる傾向が見られた。 4.粗骨材寸法を一定とし、供試体の形状が相似形で寸法比が1:2:4の3種類の供試体を用いて、部材寸法がフラクチャ-プロセスゾーンの性状に及ぼす影響について実験した結果、最大荷重時において、部材寸法が大きくなるほどそのゾーンの長さが部材寸法の比の増加よりも大きな割合で成長するが、幅はあまり成長しないことが分かった。
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