1 本研究は、積雪寒冷地におけるコンクリート構造物を耐久的で高品位なものとする一方策として、コンクリート表層部の緻密化や表面被覆等の処理を行い、これらの基本的に諸特性を明らかにするとともに、凍結融解に対する抵抗性の向上要因を見いだそうとするものである。 平成4年度における研究は、大別して次の二項目である。(1)表層部緻密化コンクリートの表層強度特性を明らかにする。(2)表面被覆と表層部を緻密化したコンクリートの凍結融解作用に対する表層強度の変化性状について明らかにする。これらについて各種コンクリートを打設、実験を行い、当初の目的・計画を概ね達成した。 2 研究によって得られた新たな知見等について (1)透水シートを使用してコンクリート表層部を緻密化することにより、表層強度、反発硬度、表面のテクスチャー等は向上する事が分かった。 (2)プレーンコンクリートにおいては、凍結融解作用を受けることによって表層強度、相対動弾性係数とも大きく低下するが、耐久性指数60%以上との関係で見ると、透水シートを使用したのもが良好と判定された。 (3)表面を被覆する事により、凍結融解作用を受けてもプレーンコンクリートの表層強度に低下は見られず、表面被覆が耐久性向上に大いに有効であることが分かった。
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