研究課題/領域番号 |
04650442
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
八木 則男 愛媛大学, 工学部, 教授 (00027228)
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研究分担者 |
榎 明潔 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90136309)
矢田部 龍一 愛媛大学, 工学部, 助教授 (70127918)
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キーワード | 単純せん断試験機 / 非排水せん断強度 / 応力履歴 / 繰り返しせん断 / 粘性土 |
研究概要 |
地震のような繰り返し荷重が地盤に作用すると地盤はかく乱を受けると同時に地盤内に間隙水圧が発生する。このため地盤の強度が低下し地盤は弱化する。この強度低下を示す具体的な手法を開発するために、新たに単純せん断試験機を開発した。この単純せん断試験機は地盤内の応力状態を再現できるよう任意の応力制御が可能となっている。 先ず、この試作試験機の性能を検討したところ、圧密終了時の含水比が三軸試験のものより高かった。これは供試体と載荷板の間の摩擦によると考えられるので、今後改良せねばならない。一方、有効応力表示によるせん断抵抗角は三軸試験の結果とほぼ同様であり、せん断試験を行なうには十分な機能がある。また、この試験機をしようとして地震のような繰り返しせん断応力が作用したときの発生間隙水圧特性の一部を明らかにした。この結果、せん断応力振幅や繰り返し回数と発生間隙水圧との関係が明らかになった。 次に、このような繰り返しせん断応力を受けた土のせん断特性を把握するために、三軸試験を用いて不かく乱および練り返し再圧密の粘性土試料に対し、種々の応力履歴やひずみ履歴を与えたのちに非排水せん断試験を行なった。また、非排水せん断試験は、上記の応力やひずみ履歴によって生じた間隙水圧を消散させた場合と消散させない場合について行なわれた。更に、極端なかく乱状態を考えるために、任意の含水比状態にある粘性土を完全に練り返し再圧密した供試体に対しても非排水せん断を行なった。その結果、いかなる応力やひずみ履歴を受けても、有効応力に対するせん断抵抗角は同じであることが分かった。また、同じ含水比の供試体でも繰り返しせん断によるかく乱の程度で、破壊時の間隙水圧係数の違いにより非排水強度が異なることが判明した。
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