研究課題/領域番号 |
04650447
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 和義 北海道大学, 工学部, 助手 (70001328)
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研究分担者 |
内島 邦秀 北見工業大学, 助教授 (40003181)
藤田 睦博 北海道大学, 工学部, 教授 (80001139)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 山地河川 / 分岐流路 / 射流 / 跳水 / 流路閉塞 / 土砂堆積 / 運動量方程式 / 流量配分比 |
研究概要 |
山地河川にみられる分岐流路の土砂閉塞原因を、現地観測、実験および理論解析によって明らかにすることを目的に研究を進め、以下の成果を得た。 1.山地河川の分岐流路には、内側分岐、直線分岐などの形態が認められる。内側分岐の土砂堆積は小規模のものが多く、外側分岐の堆積は大規模なものが多い。 2.分岐部土砂堆積は、分岐入口の閉塞を引き起こし、その下流に廃棄河道を生み出す。閉塞原因となる大量の土砂堆積は、分岐部に発生する跳水によってひき起こされるものと考えられる。これが実験的にも確認された。 3.分岐壁(中島)をもつ射流分岐流路では、分岐壁の反力のみならず流量配分比の違いにともなう流路幅の変化によって跳水が発生する。 4.分岐部検査断面に対し適用した運動量方程式から得られる流量配分比・水深などの解は、所与の上流フル-ド数に対し複雑な4価関数となる。それらは、分岐した二本の水路の両者に常流(跳水)が生じる場合、それぞれの片側のみに常流(跳水)、他の側に射流(非跳水)が生じる場合、両者ともに射流(非跳水)が生ずる場合に対応する。実験結果はこれらの解が基本的に正しく、分岐部流れが複数存在することを証明した。このことは、わずかな条件の違いによって容易に流況が変化することを示唆する。 5.順次流量を減少させた砂礫流下実験において、大流量時に短時間で厚い堆積が生じ、閉塞堆積の主要な骨格が形成された。この時の堆積厚さは、跳水水深のほぼ半分となった。これらから、閉塞堆積はゆっくりと形成されるのではなく、大中洪水のピーク近傍で短時間に形成されることが推定された。 流量減少時には、先行堆積がさらに高くなるということはなく、むしろ浸食が進行した。しかし、流量変化と共に流量配分比が異なる解に移動し、閉塞の進行することが確認された。すなわち、分岐部における流量配分比および水深の多価性が、閉塞現象の付加的な水深を果たし、これを増長させることが明らかとなった。
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