研究概要 |
本年度は,離散化要素モデルによる波浪応答シミュレーションモデルの構築ならびに,現地養殖いけす施設での動揺観測を二大目標として研究を行なった。 まず,第1の目標については,すでにこれまで開発してきた離散化要素モデルを不規則波領域に拡張するため,いけす施設の波浪応答関数の定式化ならびに不規則外力のノ-リエ展開による線型重ね合わせを行ない,最終的に,規則波の重ね合わせによる不規則波浪応答シミュレーションモデルの構築を試みた。不規波浪の作用下で,模型実験と比較した結果,必ずしも十分な精度での応答量の推定を行うまでに達しておらず,さらに検討の余地がある。第2の目標としての現地観測については,神奈川県水産試験場小田原分場の沖合,水深70mに設置されている沖合養殖いけす施設にて,今冬,実施した。 しかしながら,日本海域と異なり,冬季での有意な波浪が来襲しておらず,開始後現在に至まで,十分な動揺観測記録を得るに至っていない。これについては,現在も観測が行なわれているため,さらなる現地データを調査するつもりである。
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