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1992 年度 実績報告書

土壌空間における揮発性有機塩素化合物の動態解明と地下環境単化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04650472
研究機関国立環境研究所

研究代表者

平田 健正  国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 主任研究員 (30093454)

研究分担者 安原 昭夫  国立環境研究所, 化学環境部, 室長 (00101048)
中杉 修身  国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 総合研究官 (50109899)
キーワード土壌汚染 / 地下水汚染 / 揮発性有機塩素化合物 / トリクロロエチレン / 浄化技術 / 土壌ガス / 土壌ガス吸引 / 地下水揚水
研究概要

本研究の主眼は、表層土壌ガス調査から地下環境中で高濃度に揮発性有機塩素化合物の残留する地点を探査し、その部分を土壌ガス吸引法によって浄化する一連の浄化対策技術を確立することにある。
表層土壌ガス調査については、テトラクロロエチレンに汚染された兵庫県山崎町と福岡市で実施した。山崎町の調査では、土壌ガス濃度と土壌濃度や地下水濃度の間に線形関係を見いだし、また土壌ガス濃度の等値線を描いたところ、汚染源であるドライクリーニング事業所を中心にした同心円状のコンターが得られ、土壌ガス調査は汚染源探査手法として極めて有用であることが実証された。一方、福岡市の汚染事例では地下水面が地下1.5mと浅く、しかも原液状の汚染物質が浅い土壌中に溜まっている。この汚染現地でn-ヘキサン固定法で土壌ガス濃度を調ベたところ、1万数千ppmvの濃度が検出された。この値は、空気に揮散し得るテトラクロロエチレン濃度の最高値に近く、土壌ガス濃度で1万ppmvは原液状の汚染物質の存在する目安となることが判明した。
熊本市では土壌ガス調査結果を基に、深さ60mのボーリングを14本実施し、土壌・地下水中のトリクロロエチレン濃度の分布を調ベた。これによると、50m程度浸透しても高濃度部分は20mの範囲に収まっていることから、トリクロロエチレンなどはあまり横方向には広がらずに浸透することが判明した。さらに、熊本市では土壌ガス吸引による浄化対策を実施するため、直径20cm、深さ60mの井戸4本を建設した。0.6気圧で土壌ガスを吸引した場合、1本の井戸で浄化できる不飽和土壌の範囲は半径約10mであること、吸引された土壌ガス濃度の最高値は1万ppmvにも上り、浄化対策実施の初期には土壌ガス吸引によって1時間当たり1kgのトリクロロエチレンの除去ができることも分かった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hirata,T.: "Groundwater pollution by volatile organochlorines in Japan and related phenomena in subseurface environment" Wat.Sci.Tech.25. 9-16 (1992)

  • [文献書誌] Inaba,K.: "Effects of coexisting linear alkylbenzenesulfonates on migration behavior of trichloroethylene in poroces media" Environ,Tech.13. 259-265 (1992)

  • [文献書誌] 吉岡 昌徳: "土壌ガスモニタリングを用いた揮発性有機塩素化合物による地下水汚染調査" 日本水環境学会誌. 15. 719-725 (1992)

  • [文献書誌] Hirata,T.: "Remedial operation for subsurface pollution due to volatile organochlorines using soil ventilation and groundwater estraction" 4th Internat.KfK/TNO Conf.4. (1993)

  • [文献書誌] Yasuhara,A.: "A monitoring system for chloirnated benzenes in exhacest gas from waste incinerators" Chemosphere. (1993)

  • [文献書誌] Yasuhara,A.: "Thermal decomposition of tetrachloroethylene" Chemosphere. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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