本研究はヘリコミュータや海土交通など中小の新現参入サービスを研究対象としている。需要構造変化の現象論的把握およびマーケティング効果を分析するための技術開発を進めた。 本年度の研究実績は「(1)新現導入サービスの需要とマーケティング戦略の事例研究」、「(2)消費者の価値意識の変化構造の分析」、「(3)構造変化の徴候予測のためのモデル開発」の3点である。(1)についてはシテイエアリング、シーコムクルーズや各地で展開されているジェットフォイル等の交通事業の需要動向を調査し、競合交通機関との関係による需要変化を把握した。特にシティエアリンクに関してはヘリコミュータの運行当初から平成3年9月までのACRデータを広告効果を計測するために収集し、需要変化と広告・広報等との時間的関連を分析した。(2)ではヘリコミュータの導入期(平成2年3月)から発展期(平成3年4月、9月)にわたる利用者調査から利用者の年齢構成、利用経験、利用目的等に着目し、マーケット構造変化の様子を捉えた。これによりメディアとの接触により需要が変化する様子を分析可能にしている。一方、海上交通サービスに対してクルージングや高速海上交通サービスに対する選好意識を調査し、利用者属性→認知→イメージ→欲求→意向へと連携する意識構造を共分散構造モデルにより同定した。船舶に対する認知がイメージ形成や利用欲求に与える過程 影響の強さを分析できた。(3)では(2)の分析より得た価値意識変化を受けて、宣伝→認知→評価→利用→学習などの時間軸上の利用変化を分析するためにディフュージョン(浸透)モデルの開発を検討した。
|