研究課題/領域番号 |
04650505
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
稲森 悠平 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 総合研究官 (10142093)
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研究分担者 |
須藤 隆一 東北大学, 工学部, 教授 (70109916)
今井 章雄 国立環境研究所, 地域, 主任研究員 (40203286)
松重 一夫 国立環境研究所, 地域, 主任研究員 (40229464)
渡辺 信 国立環境研究所, 生物, 室長 (10132870)
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キーワード | マイクロコズム / 環境影響評価 / 生態影響評価 / 界面活性剤 / 遺伝子組換え微生物 / 微生物農薬 / 水質評価手法 / 微量有害化学物質 |
研究概要 |
本研究では、モデル生態系としての細菌、菌類、原生動物、後生動物からなるホールシステムとしてのマイクロコズムの開発、および開発マイクロコズムとそのサブシステムの構成微生物群の二者、三者培養系における合成有機化合物、農薬、重金属遺伝子組換え微生物等を添加した場合の構成微生物の挙動、安定性、消長についての実験的検討から水質評価を行う新手法の開発を目的としているが、本年度はマイクロコズムサブシステムとホールシステムとの比較評価を行った。 供試物質としての界面活性剤、微生物農薬、組換え非土着微生物、微量化学物質等を添加し、マイクロコズムを構成する原生動物および微小後生動物の捕食作用が系の安定性、消長にいかなる影響を与えているかについてフラスコスケールの二者培養での検討を行い、各供試物質の微小動物等に及ぼす影響を評価し、これらの供試物質が環境中に放出された場合の生態系に及ぼす影響を的確に判断するための評価手法としてのマイクロコズムシステムに関する検討を行った。その結果、本年度対象とした供試物質については従来から用いられているEC_<50>の評価結果と比較して影響の生じる濃度がかなり低くなる(界面活性剤では、LASで1.5mg・1^<-1>、純石鹸で30mg・1^<-1>、複合石鹸で150mg・1^<-1>)ことなどが明らかになった。すなわち化学物質等の生態影響評価を行う上で、従来のEC_<50>と同時にマイクロコズムを活用した安全性評価の手法が極めて重要な試験法になることが示唆された。 来年度は、引続きマイクロコズムを構成する微生物の生態、生理学的特性を明らかにし、ホールシステムレベルにおける供試物質の微生物の生存、増殖に及ぼす影響について検討を重ね、特に水質と構成微生物の挙動、安定性、消長に関する影響評価手法の確立を目指す。
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