単純梁形式の付着試験を行なった。実際の約1/2模型とし、実験器具は現有設備を使用した。実験は次の2シリーズ(8体)とした。なお申請者は、今回は、試験体1体で4種類の付着強度データを得ることができる実験方法によったので、8体の試験体で32種類の実験データを得ることができた。 1.高強度コンクリートの付着割裂強度を知るためのシリーズ(4体) 高強度コンクリートの付着に関する実験は、すでにいくつかの機関で行われているが、その多くは主筋4本で中子筋のない試験体であり、主筋本数・中子筋の影響を知ることができない。そこで、主筋本数と中子筋をパラメータとして実験を行った。その結果、建築学会の付着強度式は全体的にみて安全率が高い傾向があることがわかった。特に中子筋の有るものでは顕著にみられた。主筋の節の向きの影響としては、縦に置いた方が、横に置いた方より、10〜30%強度が高かった。コンクリートの強度は80MPaとした。 2.付着抵抗メカニズムを知るためのシリーズ(4体) 付着割裂ひび割れとせん断ひび割れによって生じる横補強筋を入れた試験体と、通常の試験体(シリーズ1)とを比較することによって、3次元抵抗機構を知るために基礎データを得た。
|