研究課題/領域番号 |
04650520
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 祥之 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50027281)
|
研究分担者 |
北原 昭男 京都大学, 防災研究所, 助手 (00195273)
藤原 悌三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10026031)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
キーワード | 確率論的推定 / 地震応答 / 履歴構造物 / 地震損傷 / 確率微分方程式 |
研究概要 |
地震応答観測記録を基に、構造物系各部の地震応答ならびに構造損傷を確率論的に推定する方法を得ることを目的とした研究から、得られた知見等を以下にまとめる。 1)構造材料や構造種別に応じた履歴形復元力特性に関して、履歴構成則の数学的モデルを作成し、これらの履歴特性を含む構造物系の適切なモデル化を行い、また、地震動を地盤の地震時の非定常不規則応答として把らえ、地震外乱を生成する非線形・離散形動力学系モデルの理論的構築を行った。2)構造物各部における動的破壊規範とそれに関連する損傷の尺度を部材レベルの試験や模型実験からの資料に基づき、構造材料、構造種別に応じて、適切に選定し、構造物の損傷を時間に連続な過程として定義した上で、変位や速度応答の関数として表現した。このような損傷過程の表現と1)の構造物系モデルを用いることによって、構造物系の地震応答を規定する動力学系とともに伊藤型確率微分方程式として定式化し得ることを示した。3)次いで、前年度に開発された応答推定法を発展させ、上記の確率微分方程式より、全状態変数に関する観測データを条件とする条件付確率密度関数を規定する方程式と条件付モーメント方程式を導いた。さらに、条件付確率密度関数の適切な関数表現を導入するとともに条件付確率論的線形化法を開発して、構造物各部の応答および損傷に関する状態変数の最適推定値を観測雑音で乱された地震応答観測記録から求める方法を導いた。4)構造物の地震時損傷を記述する数学的モデルは構造材料・構造種別により、種々の破壊規範とそれに関連する損傷の尺度が提案されているが、実構造物レベルでの検証が困難であり、このような地震時損傷を評価するための実地震応答観測記録が得られないため、今後このような観測記録の集積が必要となる。
|