金属製サイロの構造特性係数は一定ではなく、サイロの周期によって変化する。特に、短周期サイロの変化は大きいと推測される。その短周期部分における構造特性係数を、サイロが座屈する以前の線形時周期によって分類または関数化しようとするものである。 そのためにはまず模型サイロによる繰返し加力実験を行い、その復元力特性を得る必要があり、得られた力-変位関係からそのループ面積、骨曲線を変位振幅で関数化する。これをもとにサイロの振動特性を反映すべき関数型復元力モデルを設定する。設定された復元モデルに対して非線形時周期、等価減衰等の振動特性を変位振幅の関数として求め、種々の実地震波に対する応答解析を基に構造特性係数を算出する必要がある。 実験に用いた試験体は黄銅製サイロ模型(直径375mm、高さ980mm)である。試験体の下部を固定し、上部リブの上側に鉛直な軸力となる錘を載荷し、水平荷重は周辺に一切接触しないように上部リブと同じレベルでロードセルを経由して油圧ジャッキにより水平に加力して、力-変位関係を示す履歴曲線を求め、これからその特性に応じて骨曲線は4つの変域に分けて表現しやすい直線で関数化、ループ面積はプラニメータを用いて計測した後、指数関数で関数化した。 設定した復元力モデルに対して各種地震波(エルセントロ、タフト、八戸等)を種々のレベル調整入力し地震応答解析を行った。座屈後一定の変位における振動周期の伸びの程度、座屈加速度の大きさ等の計算を行い、構造特性係数を算出した。結果は3つの変位レベル各々において縦軸に構造特性係数、横軸に線形時周期をとったグラフ上にプロットし、その包絡線の上限を関数化することによって表した。
|