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これまで現有設備である固体蓄熱材用の蓄熱槽および温度測定装置を用いて実験を実施し、カプセル内部の潜熱蓄熱材(以下PCM)が全て液相、もしくは全て固相のときのカプセル内部の伝熱特性および周辺空気との熱伝達特性を検討してきた。今年度は、継続して槽内伝熱特性を明らかにする実験を行い、潜熱蓄熱材の伝熱モデルを作成すると共に、伝熱モデルの検証のための基礎的なシミュレーションを中心とした以下の研究に取り組んだ。
1.カプセル内部のPCMが全て液相、もしくは全て固相である温度範囲において、入力温度をステップ変化させた場合の槽内各部の温度の過渡応答を測定し、液相および固相のカプセル内部の伝熱特性の検討およびカプセルと周辺空気との熱伝達率の同定を行った。
2.PCMの相変化が発生する温度範囲において、蓄熱時および放熱時を想定した入力温度のステップ入力による過渡応答を測定し、融解温度および凝固温度近辺における伝熱特性を明らかにした。
3.カプセル内部の固相と液相のそれぞれで一様温度分布を仮定し、固相・液相の界面での熱収支から、界面移動速度とカプセル表面熱流を得るための基本的な伝熱モデルを作成した。
4.基本伝熱モデルを基にして、カプセル内部の温度分布とカプセル表面熱伝達率分布を考慮した伝熱モデルを用いたシミュレーションを行い、実験結果と照合することによって、モデルのパラメータを同定した。
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