1 街並形成型都市居住形式についての検討は、平成4年度に幹線道路沿道の土地利用実態を立体土地利用実態として詳細に調査したところである。それを受けて本年度は立体土地利用実態を基礎に、これからの街並形成型都市居住形式を担保していく方策について検討した。 担保してゆく方策としては、立体用途規制と用途別容積型地区計画制度が考えられる。実態調査との整合性を考えると、立体用途規制のように一定階数以上を住居系用途と定めることは必ずしも適切でなく、一定階数以上で一定の割合が住居系用途となり容積率のボーナスが与えられるという、上記2制度を組み合わせた方式が考えられることを結論として導きだした。 2 タウンハウス型都市居住形式については横浜市の密集住宅市街地を対象としたゲーミング・シュミレーション手法により、地権者参加型の協調建て替えの可能性とその効果などについて理論的、モデル的検討を行った。 その結果、協調建て替えの効果としては、(1)建て替え困難地区の解消、(2)適度な高度利用の実現、(3)有効なオープンスペースの確保による相隣環境の確保、(4)地権者間の内部ルールの発生等を挙げることが出来た。 一方、協調建て替えの限界と問題点としては、(1)規制緩和のための協調化が図られる、(2)良好な戸建て住宅地では有効に使われない、(3)4〜6軒程度の単位の断片的な協調化が図られ、単位の外部との調整が取れない、(4)協調化の中からは全体性は生まれない。ということが判明した。 結論として、(1)地権者全員のビジョンの共有の必要性、(2)住民の学習機会を用意する必要性、(3)全体計画の作成の必要性を示している。
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