本年度実施した研究は 【.encircled1.】マンションの衛生設備に関しての事前指導実施保健所及び準備段階の自治体に対するヒヤリング 【.encircled2.】長期経過団地に対する居住状況実態調査である 【.encircled1.】については東京都港区、杉並区、足立区、文京区、横浜市、福島県、札幌市、などがすでに実施しており東京都台東区が平成6年から実施する。準備段階にある区はさらに数区あり、これらについてもヒヤリングを加えた。事前指導の範囲を対象建物の床面積、または敷地面積、用途地域、給水施設の大きさ、階数、戸数、建物高さ等指導対象を限定する自治体が多いが、どの項目で限定するかは各自治体ごとに大きく異なっている。指導の法的根拠も要綱項、指針、要領など様々であり、指導のに入れる時期も建築確認時図面審査が多数を占める一方、文京区のように建築計画の初期段階で入ることを可能にしている自治体もある。竣工検査を保健所職員が行う自治体、行わない自治体、完了報告を建築部からの連絡で知る自治体、水道局の水給水開始で知る自治体など方法は多様である。これらの対応方法が異なるのは、地域の建設事情、他の衛生指導業務との時間配分、指導スタッフの力量との関連を総合して決定しているマンションの台帳整備、立ち入り指導に積極的に乗りだしている自治体は既に東京都では上記以外の区でも多い。設計者への分かりやすい提供資料を作成した自治体も多い。首都圏以外の都市では札幌市、大阪市、福岡市等の保健所活動状況を調査した。 【.encircled2.】については長期経過団地で特に老朽化、居住者の高齢化 単身者や空き家住宅の増加による人口減少著しい団地の実態調査を行った。首都圏以外は主として管理組合に対するヒヤリングとし、首都圏の特に同潤会アパート6団地については家屋登記簿と住民票のから居住状況を把握した。いずれも人口の激減から衛生施設の共同管理は行き詰まっており、一部では個人的対応で凌いでいることが判明した。40年代初期分譲団地については10団地についてヒヤリングし内首都圏の2団地については居住者へのアンケート調査を実施した。アンケート有効回収数は245票である。当初入居者の高齢化による小世帯化だけでなく、新たな入居者の高齢化が著しく、遠からず同潤会アパートの傾向を追うことが予想された。
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