1.本年度の研究の目的 本年度の目的は、老人ホームに居住する高齢者のプライバシー侵害とストレスの関連性および居室形態がプライバシー欲求と達成に及ぼす影響を明らかにすることである。 2.方法 老人ホームの個室と2人室に居住する高齢者のプライバシー欲求と達成を、(1)ひきこもり(2)孤独(3)分離(4)匿名性から成る孤独志向性サブスケールと(5)隣人付き合い(6)親密から成る社交志向性サブスケールによりとらえた。居住者のストレスを身体的ストレスと精神的ストレイ項目より成るパブリックヘルスリサーチセンター版ストレスチェックリストでとらえた。 3.結果 孤独志向性及び社交志向性いづれも個人の求める欲求の程度が身体的ストレスと精神的ストレスを規定する。とくに孤独志向性が高くその達成が低い群で身体的・精神的ストレスが最も高く、顕著な影響がみられた。 居室形態との関連については、個室居住者は2人室居住者に比べて、プライバシー欲求やストレス反応の上に良好な結果を示した。
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