1.明治前期の建設業者については、北海道立文書館所蔵の開拓使関連簿書のうち建築仕様書を含む一件書類21件を閲覧し、32名(大工職を含む)を収集した。さらに塗師、レンガ職、屋根葺職などの関連職人名13名も明かになり、これら関連職人も関連データとして採集した。 2.明治中・後期以降の建設業者を知る方法として採用した主要紙からの建築関連記事の収集は、作業に膨大な時間がかかったが、北海道毎日新聞(明治20〜30年)、小樽新聞(明治37〜昭和2年)、北海タイムス(明治34〜昭和10年)の3紙を対象に建設業者および施工作品を収集した。北海道毎日新聞から31名、北海タイムスのうち、明治37年〜大正15年分についてとりまとめ、約156名の請負業者名(土木請負業者は一応除いた)が明らかになり、年表としてまとめることができた。北海タイムスの昭和初期分と小樽新聞については、建築関連記事の収集は終了したが、年表形式のまとめおよび建設業者名のチェック等の作業は現在も進行中である。 3.戦前期に刊行された人名辞書などから、『北海道人物誌』(明治26年)、『北海立志編第壱巻』(明治35年)、『北海立志編第五巻』(明治42年)、『札幌紳士録』(明治45年)、『札幌之人』(大正3年)、『北海道人名辞書』(大正12年)、『北海道市町村総覽 第一巻 旭川市上川支廳管内編』(昭和2年)、『現代札幌人物史』(昭和6年)8冊の資料を収集し、通覧した。 4.収集した建設業者のデータベース化は、カード型データベースを使用し、データベースの構築を思考中であるが、検索する際のキーワードやデータ項目に関してはさらに改良工夫を要し、次年度の課題として残された。
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