1.明治中、後期以降の建設業者を探る方法の一つとして、先年度に引き続き新聞からの建築関連記事の収集を採用した。本年度は、北海道大学付属図書館所蔵の新聞から、函館新聞・函館毎日新聞(明治20年〜大正3年)、十勝新聞(昭和8年〜13年)、十勝毎日新聞(昭和8年〜12年)の3紙を対象に、建設業者および施工作品を収集した。 函館毎日新聞から明治大正期の建設業者75名、十勝新聞、十勝毎日新聞から昭和期の建設業者32名、および前年度収集の北海タイムスから昭和期の建設業者8名、小樽新聞から明治大正昭和期の建設業者133名について、年表化した。 2.開拓使建築関連簿書を中心に『道南の槌音』(昭和57年)を補助資料として収集した明治前期の建設関連業者104名について、職種、生・没年、住所、出身地、請負建物・所在地、関係者、資料名、経歴の項目で、データベースとしてまとめた。 3.明治中期以降の建設業者に関しては、新聞調査から得られた業者256名のうち、戦前期に刊行された紳士録、人名録、人名辞書など14文献および他文献からデータを補足できる業者59名について、出身地、生・没年、職種、大工経験、来道年、生家家業、創業までの足どり、創業年、創業地、住所、公職、請負建物・所在地、関係者、縁籍、資料名、経歴の項目で、データベース化を試行した。 4.明治中期以降の建設業者59名について、生没年を年表化し、さらに出身地の判明した45分については県別にまとめた。上位から新潟県(12名)、石川県(7名)、福井県(4名)、青森県(3名)、富山県(3名)となっている。
|