研究課題/領域番号 |
04650591
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
芝田 隼次 関西大学, 工学部, 教授 (70067742)
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研究分担者 |
佐野 誠 関西大学, 工学部, 助手 (00170811)
西村 山治 関西大学, 工学部, 教授 (30067467)
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キーワード | 抽出剤 / 担持ポリマー / 含浸樹脂 / 希土類 / 分離 / 精製 |
研究概要 |
今年度の研究計画にしたがって、抽出剤担持ポリマーによる希土類の吸着速度、カラム吸着試験およびカラム溶離試験が行われた。 希土類の吸着速度は、従来の陽イオン交換樹脂の吸着速度とほぼ同様である。軽希土類であるNdおよびSmの分離特性についてカラム法を用いて検討した。2成分系の希土類混合溶液に抽出剤担持ポリマーを適用すると、吸着工程で原子番号の小さいNdが高純度で回収され、溶離工程で原子番号の大きいSmが回収できる。カラム試験について、抽出剤担持ポリマー中のPC-88Aの利用率を結合比を3:1として計算すると、約41%と推算される。吸着カラム内では、先に抽出剤担持ポリマーに吸着したNdと供給液中のSmとの交換反応が生じ、カラムからはNdのみが漏出してくる。ベッド高さやカラム径などを大きくすることにより、分離性は向上する。通液速度は、速すぎると十分なNdとSmの交換反応が起こらないため分離性は悪くなる。溶離については,塩酸濃度が低い場合は吸着した希土類金属が徐々に溶離し、塩酸濃度が高い場合には溶離曲線がシャープに立ち上がり回収される希土類濃度は高い。吸着破過曲線および溶離曲線を図積分することにより、Ndは純度100%で70%以上の収率が得られ、Smは収率100%で80%以上の純度が得られることがわかった。重希土類であるTb、DyおよびHoの2成分系での分離試験を同様にカラム法を用いて検討した。吸着工程では原子番号の小さい希土類が高純度で回収され、溶離工程では原子番号の大きい希土類が回収できる。抽出剤担持ポリマーを繰り返し20回程度吸着・溶離工程に使用しても、樹脂中のPC-88Aの溶出はごく微量である。
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