研究課題/領域番号 |
04650596
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
富取 正彦 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10188790)
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研究分担者 |
高柳 邦夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (80016162)
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キーワード | 走査型トンネル顕微鏡 / 走査型トンネル分光法 / Si(シリコン) / Ge(ゲルマニウム) / ダイマー / エピタキシャル成長 |
研究概要 |
Si(001)面に蒸着した少量のSi、またはGe原子の配列と電子状態をSTM/STSで捉えた。蒸着Si、Ge原子は(001)面上でダイマー列に沿った方向に優先的に2次元成長する。ダイマー列終端部の原子配列に注目し、Si、Geの成長機構を検討した。基板温度300℃で成長させると、ダイマー列終端部の列の延長線上で、1ダイマー分だけ離れた下地ダイマー列上にダイマーが配置され、また、もう1ダイマー分だけ離れた下地ダイマー列上に1原子が配置される場合があることをSTM観察から見い出した。ダイマー列終端部は、基板ダイマー列方向に沿って拡散してきた原子を捕獲するが、必ずしもダイマーが連続的に配置されず、拡散原子は、ダイマー列延長線上の下地ダイマー列上で安定構造を取り得る。この配置のダイマーは、連続的に配置したダイマーと異なり、占有状態のSTM像で2原子が分離して観察される。この領域のスペクトルは、エネルギーギャップの増加と空状態密度の増加を示した。占有状態のダイマー結合軌道から変化して、列終端部での原子位置変化がsp^3混成度を減少させたことが示唆される。 Si-Ge混晶系で注目されている自然規則合金相の形成機構を解明するために、同一表面上のSiとGe原子をSTM/STSで識別できるかどうか検討した。STM/STSは、SiとGeのように電子構造が類似していると、種より配列に強く影響を受ける。そこで、深い準位のスペクトルに注目し、約-5Vまでの占有状態スペクトルを測定し、SiとGeの各々のスペクトルとの対応を調べた。Si(001)とGe(001)面のUPS測定では、SiとGe各々のダイマー結合よるE_F-3.0eVと-2.4eVのピークが現れる。Si(001)面上のGeダイマー上でこれらのピークに対応するトンネルスペクトルの減少と増加が観察された。この結果を基に、微傾斜Si(001)面上にGeをステップフロー成長させ、テラス上ステップ端周辺(Ge堆積領域)にGeに対応するトンネルスペクトルの変化を確認し、原子識別の可能性を示した。
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