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1992 年度 実績報告書

物理的強制混合によって作製した非平衝相の中性子散乱によるナノスケール構造の観察

研究課題

研究課題/領域番号 04650597
研究機関名古屋大学

研究代表者

福永 俊晴  名古屋大学, 工学部, 助教授 (60142072)

研究分担者 古谷野 有  名古屋大学, 工学部, 助手 (00215419)
水谷 宇一郎  名古屋大学, 工学部, 教授 (00072679)
キーワードメカニカルアロイング / 固気相反応 / X線回析 / 中性子回析 / アモルファス / 原子分布
研究概要

混合エンタルピーが正のCu-V系、混合エンタルピーが零に近いCr-Fe系そして混合エンタルピーが負のV-Fe系を不活性ガス中でメカニカルアロイング(MA)するとBCC固溶体が生成されるが、活性ガス(N_2)中でMAを行うと固気相反応によりアモルファス相が形成されることが明らかになった。
Cu-V系では最初Cu原子がVの中に固溶しBCC固溶体が形成され始めるが、同時に固溶されている窒素原子の固溶量が増加するにつれてアモルファス化が進行することが明らかとなった。これはVに溶け込むCuの量は少ないが、その少量のCuの固溶がV-Nの化合物結晶の生成をおさえ、アモルファス相形成の重要な役割を演じていることを示唆するものである。
Cr-FeならびにV-Fe系でも固溶する窒素量の増加にともないアモルファス化することが明らかになった。補助金で購入した湾曲結晶モノクロメータを取り付けたX線回折で金属のみの原子分布変化を観察するとBCC結晶が壊れアモルファス相特有のハローパターンに変化し、その最隣接原子配位は14配位(8+6)から12配位に変化して行くことが明らかとなった。さらに中性子回折により窒素原子位置を調べた結果、CrとFe原子によって構成される多面体の中心にはいると仮定すると窒素原子の周りの金属原子は4配位となるが、Cr原子のみで構成されている多面体の中心に入ると仮定すると8配位となることが明らかとなった。この問題については今後のさらに追及していく予定である。
本研究では半導体元素(Se,Te)のMAも行っているが、SeならびにTeは単体でもアモルファス化することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Fukunaga,M.Mori,M.Misawa and Mizutani: "Structural Observation of Metastable Phases Prepared by MA in V-M (M=Fe,Cu) Systems" Material Science Forum (Trans Tech Pub.). 88-90. 663-670 (1992)

  • [文献書誌] T.Fukunaga,M.Misawa,K.Suzuki and U.Mizutani: "Chemical Short-Range Order Structure of Ni-Ti Neutron Zero Scattering Amorphous Powders Synthesized by MA" Material Science Forum (Trans Tech Pub.). 88-90. 325-332 (1992)

  • [文献書誌] C.H.Lee,M.Mori,T.Fukunaga,K.Sakurai and U.Mizutani: "Structural Evidence for the Amorphization of Mechanically Alloyed Cu-Ta Powders Studied by Neutron Diffraction" Material Science Forum (Trans Tech Pub.). 88-90. 399-406 (1992)

  • [文献書誌] Y.Homma,T.Fukunaga,M.Misawa and K.Suzuki: "Crystal-to-Amorphous Transition of NiV and NiZr Intermetallic Compound by Mechanical Milling" Material Science Forum (Trans Tech Pub.). 88-90. 339-346 (1992)

  • [文献書誌] T.Koyano,C.H.Lee,T.Fukunaga and U.Mizutani: "Formation of Iron-niterides by Mechanical Alloying in NH_3 Atmosphere" Material Science Forum (Trans Tech Pub.). 88-90. 809-816 (1992)

  • [文献書誌] T.Fukunaga,E.Ishikawa,N.Kuroda,C.H.Lee and U.Mizutani: "Nitrogen-Induced Amorphization due to Mechanical Alloying" Proc.4th Japan-Russia Sympo.on Mechanochemistry. 1. 69-74 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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