研究課題/領域番号 |
04650601
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木下 智見 九州大学, 工学部, 教授 (50037917)
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研究分担者 |
椎山 謙一 九州大学, 工学部, 助手 (30243900)
友清 芳二 九州大学, 工学部, 助教授 (40037891)
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キーワード | セラミックス / 電気伝導度 / 電子励起 / はじき出し損傷 / カスケード損傷 / 照射損傷 / 核融合炉材料 / 電場効果 |
研究概要 |
本研究では、電顕内「その場」観察下での電気伝導度測定法を確立し、絶縁性セラミックスの電気伝導性におよぼす電子励起、格子励起および電場の同時効果を評価し、その効果の機構を明らかにすることを目的とした。研究対象試料としては、共有結合性結晶とイオン結合性結晶であるMgO、Al_2O_3およびこれらの化合物MgO・nAl_2O_3(n=1〜3)を用いた。 1.セラミックス試料の電顕内「その場」観察 申請者らが開発した方法で作製した電顕用薄膜試料を超高圧電顕内で高速電子イオン照射および電圧(V)印加時の微細構造・組織変化を「その場」観察した。試料温度(T)を300〜800Kの範囲で設定し、電子励起効果の大きい電子(エネルギー:E)と、主に格子励起を誘起する30keVの重イオンを重畳照射すると共にVを印加した。TとE、さらに、電子線束密度、イオン密度および、Vを変数として微細構造・組織変化を観察した。その結果、イオン照射によるカスケード損傷の蓄積は、電子による点欠陥、誘起拡散または電子励起により抑制されることがわかった。 2.電顕内での電気伝導度「その場」測定法の確立 電顕内での試料用空間は約3X1X5mmに限定される。申請者らは試料形状、電極材、測定回路の絶縁材と温度等を中心に試行錯誤の実験を繰り返し、超高圧電顕内での微小試料の電気伝導度測定法を確立した。この装置の測定限界は2X10^<-5>/Ω/mで測定温度範囲は室温〜1000Kである。この装置を用いてZrO_2の電子照射下および非照射下での電気伝導度を測定し、格子励起による誘起伝導度を確認した。 3.今後の問題点 V印加時の組織観察、測定限界の向上および1および2の同時測定とその結果を解析して表題の同時効果を追求する。
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