研究課題/領域番号 |
04650607
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属製錬・金属化学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山村 力 東北大学, 工学部, 教授 (80005363)
|
研究分担者 |
遠藤 守 東北大学, 工学部, 助手 (30213599)
朱 鴻民 東北大学, 工学部, 助手 (40216148)
佐藤 譲 東北大学, 工学部, 助教授 (80108464)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
キーワード | ネオジム / 溶融塩電解 / 電解採取 / 高純度化 / 液体電極 / ウラン / ランタニド / 電流効率 |
研究概要 |
本研究は高純度のウランおよびランタニド金属を製造するプロセスを開発することを目的とした。電解浴としては塩化物を採用した。これは電解セルを構成する材料の選択に幅があること、および操業温度を比較的に低くでき不純物混入および経済性の観点からフッ化物よりも有利であると判断したことによる。一方、研究対象としてランタニド類のネオジムを選択した。これはネオジムがウランと化学的類似性を有し、しかもランタニドのなかでも電解析出機構が複雑であることがフッカ物電解でしられており、その解明が待たれていることを考慮したためである。 本研究により、LiCL-KC1共晶塩からなる電解浴中で、Nd^<3+>は直接、金属Ndに還元されることが非定常電気化学法などの解析手法により解明された。次いで、白金をカソードとして電解採取を行った。しかし、金属ネオジムは採取されず、オキシ塩化物が得られたに留まった。この現象を解明するために、金属ネオジムノ塩化物浴中への溶解実験を行い、金属ネオジムは3塩化ネオジムと共存する場合には容易に不均等化反応を引き起こし、浴中に分散することを明らかにした。つぎに、生成物であるネオジムの再融解を防ぐ方法として液体電極の使用を模索した。活量測定などからcd-Mg液体合金が最適であるとの結論を得手、同液体合金を電極として3塩化ネオジムを電解したところ約95%の電流効率でネオジムを液体電極中に採取できた。さらに、蒸留操作によりネオジムを電極合金成分と分離した。一連のプロセスによりCdおよびMgの残留が1%以下の高純度ネオジムを得ることに成功した。ただし、得られたネオジムには4%程度のSiが残留した。今後、適切な装置材料を使用すれば、高純度のネオジムを得ることが可能であることを明らかにした。 得られた結果はウランおよび他のランタニドにも適用可能であり、むしろより容易かつ高純度プロセスとなることが予想される。
|