本研究では、ニューラルネットワークの材料組織パターン認識システム、特に凝固・加工組織のパターン認識システムを構築し、その有効性を確認することを目的とした。これらの材料組織のパターン認識では、最適な観察倍率と入力領域の決定が基本的重要性を持つ。そこで、最適観察倍率、観察領域の問題を分解能の異なる複数の画像を入力データとすることにより克服した。 このシステムは、特徴抽出ネットワークと分類ネットワークから構成されている。特徴抽出ネットワークは、入力画像の局所的パターンを、あらかじめ自己組織化アルゴリズムにより求めた参照ベクトルに分類し、入力画像に対する参照ベクトルのヒストグラムを生成する。分類ネットワークは、入力画像の参照ベクトルヒストグラムをバックプロパゲーションアルゴリズムにより学習し、これにより画像を定められた類型に分類する。 本システムを用いて、粒子画像分類の例として鋳鉄の黒鉛形状判別、領域パターン分類として結晶粒度判定を行ったところ、いずれの場合も優れた識別性能を示した。
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