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1992 年度 実績報告書

金属間化合物TiAlの高温クリープ抵抗の応力及び温度依存性

研究課題

研究課題/領域番号 04650644
研究機関東京工業大学

研究代表者

松尾 孝  東京工業大学, 工学部, 助教授 (10089823)

キーワード金属間化合物 / クリープ / 最小クリープ速度 / 最小クリープ速度の応力指数 / クリープの活性化エネルギ
研究概要

精密鋳造したTi-50at%Alに1200℃,1週間の均質化熱処理を施し,平行部径6mm,平行部長さ30mmのつば付きクリープ試験片(フルサイズの試験片)を作成した。
まず,1123Kにおける一定応力のクリープ試験を100〜300MPaの広い応力範囲において行い,クリープ伸びー時間曲線,クリープ速度ー時間曲線の負荷応力依存性を調べた。クリープ試験が一定応力で行われたにもかかわらず定常クリープ域は形成されず,曲線は遷移クリープ域と加速クリープ域とからなることが明かとなった。また,室温引張試験における破断伸びは2%程度であるのに対し,クリープ破断伸びは大きく,100%近い値を示すものもあった。応力と最小クリープ速度をともに対数表示して得られる最小クリープ速度の応力指数n値は100MPa以下では約4であったが,100MPaを超えると高応力ほど大きな値を示した。100MPa以上でのn値の増加の原因を調べるため,最小クリープ速度を示す時点で停止した試料の転位下部組織を観察した。その結果,100MPaを超えると高応力での停止材ほどより発達したサブグレイン,あるいは動的再結晶粒が観察された。このことから,動的再結晶による細粒化がクリープ弱化として働きクリープ速度比を大きくしてn値の増加を招いたものと結論した。
さらに,遷移クリープ域の全寿命に占める割合は通常の単相合金に比べ非常に小さく,また,時間の経過に伴うクリープ速度の減少比も大きいことも明らかにした。なお,1123Kに加え1173および1073Kのクリープ試験も一部行って,クリープの活性化エネルギ,Q_cは100MPa以下においては300KJ/molであり,100MPaを超えると増加し,500KJ/molにまで達することを明らかにしているが,Q_cの応力依存性については平成5年度にさらに詳細に検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 間篠 謙一,具 明会,松尾 孝,菊池 實: "TiAlの高温クリープ変形における最小クリープ速度の応力依存性" 日本学術振興会耐熱金属材料第123委研究報告. 33. 49-57 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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