1473Kで1週間の均質化熱処理を施したTi-50at.%Alについて1123Kにおける一定応力のクリープ試験を100〜300MPaで行い、クリープ曲線、クリープ速度時間曲線の負荷応力依存性を調べ、以下のことを明らかにした. (1)一定応力試験におけるクリープ速度/時間曲線の解析から、この材料は定常クリープ域を示さず、遷移クリープ域と加速クリープ域のみを示す.このクリープ曲線の形状は温度及び応力に依存せず同じである. (2)この材料の室温引張延性は1%程度であるが、クリープ破断伸びは100%近い大きな値を示す. (3)最小クリープ速度の応力指数n値は高応力側と低応力側で異なり、100MPa以下では約4であるが、100MPaを超えると大きな値を示す. (4)最小クリープ速度を示す時点で停止した試料の転位下部組織を観察から、100MPa以上でのn値の増加はサブグレインの発達あるいは動的再結晶粒による細粒化に起因する. (5)1123Kに加え1173K及び1073Kのクリープ試験も行い、クリープの活性化エネルギーQcを求めた結果、Qcは100MPa以下では300KJ/molであったが、100MPaを越えると500KJ/molになる.
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