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1992 年度 実績報告書

中間化合物からの新しい高磁界超伝導体の合成

研究課題

研究課題/領域番号 04650657
研究機関東海大学

研究代表者

太刀川 恭治  東海大学, 工学部, 教授 (40197372)

キーワードNb_3(Al、Ge) / A15相 / σ相 / 線材化 / 高磁界 / 臨界電流密度
研究概要

現在、改良されたNb_3Sn線材を用いて4.2K(液体ヘリウム中)で約18Tの超伝導マグネットが製作されているが、NMR分析、核融合等では、20Tをこす高磁界を発生しうる超伝導線材の開発が望まれている。A15型化合物のNb_3(Al、Ge)は、次世代の高磁界超伝導材料として期待されているが、従来はその線材化が困難であった。本研究は、σ相Nb_2(Al、Ge)粉末とNb粉末を反応させる新しい手法によるNb_3(Al、Ge)の作製法に関するものである。σ相Nb_2(Al、Ge)をアーク溶解で溶製し、粉砕後Nb粉末と混合、成形して焼結体を作製した。また、この混合粉末をNb管に充填した複合体を作製し、溝ロールと平ロールによりテープ試料に加工した。外径8mmの複合体から、幅5mm、厚さ0.4mmのテープまで、中間焼鈍なしに容易に加工が可能であった。上記の焼結体及びテープ試料を熱処理して、A15相の生成過程及びその超伝導特性について研究を行った。 テープ試料では、1200℃、1時間の熱処理でA15相の生成が認められ、1300℃では、ほぼ単相のA15相がえられた。焼結体では、超伝導遷移幅が約3.5Kと大きいのに対し、テープ試料では、0.5K以下に著しく小さくなった。これは、加工によって均質なA15相がえられ易くなることを示している。1300℃〜1400℃で熱処理後700℃で焼鈍を行うと、遷移温度Tcが約1K上昇し、高磁界における臨界電流密度Jcも向上した。これまでに、テープ試料で17.5KのTc(中点)と、4.2K、20Tで25000A/cm^2をこすJcがえられた。以上のように、平成4年度の研究で、Nb_3(Al、Ge)線材を作製する新しい製法の開発に成功し、20Tでも実用可能な大きいJc値をうることが出来た。次年度では、粉体作製条件の影響や添加元素の効果的について詳細な研究を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kyoji TACHIKAWA: "Synthesis of A15 Nb_3(Al,Ge) through the σ phase" Advances in Cryogenic Engineering Materials. 38. 835-840 (1992)

  • [文献書誌] Kyoji TACHIKAWA: "Recent developments in practical superconductors" Journal of Advanced Science. 4. 4-9 (1992)

  • [文献書誌] Kyoji TACHIKAWA: "Recent studies on composite superconductors" Proc. 7th US-Japan Workshop on High-field Superconducting Materials. 111-117 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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