研究概要 |
先ず、3軸直行型のロボットを製作し、これを駆動するためのシステムを構築した。さらに、CCDカメラで撮像した鋼板の突合せ溶接部画像をパーソナルコンピュータに取り込み、これに種々の画像処理を施して、溶接線を検出し、これに溶接トーチをリアルタイムで自動追従させるためのシステムを構築した。本システムを用いて下記の新しい知見を得ることができた。 1)研削加工,グラインダ加工,フライス加工等のいずれの加工法で得られた表面状態に対しても、適切な照明を行なえば溶接線の認識が可能となる。特に反射照明法が有効である。 2)表面が比較的平滑な薄鋼板に対しては、微分処理を施すと溶接線を安定して認識できる。 3)輝度分布の変動の激しい表面を有する鋼板については、高輝度のカットオフ及び平滑化処理が有効である。 4)強力なノイズによる溶接線の誤認識を防止する手法の一つとして、溶接線の連続性を考慮する手法の適用が有効である。 5)走査線の一部のデータについてのみ画像処理を施す方法(ウィンドウ処理)は、溶接線から離れた位置のノイズの影響を自動的に除去する効果があり、また画像処理のための計算時間の短縮に有効である。 6)破線の様な途中途切れた線の自動追従における誤動作を防止するために、複数の走査線を用い、それから得られた多数の溶線線位置情報から溶接線の正しい位置を推定するための手法(複数走査線法)を提案し、その有効性を示した。
|