研究課題/領域番号 |
04650677
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河口 広司 名古屋大学, 工学部, 教授 (40023220)
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研究分担者 |
田中 智一 名古屋大学, 工学部, 助手 (40236609)
野水 勉 名古屋大学, 工学部, 講師 (50175527)
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キーワード | 高周波グロー放電 / 質量分析法 / 発光分光分析法 / ファインセラミックス / ICP質量分析計 / グロー放電 / 深さ方向分析 |
研究概要 |
質量分析計に市販のICP質量分析計を利用した平板状試料が測定可能なグリム型の高周波グロー放電イオン源を試作した。また、高周波グロー放電発光分光分析用の光源としてイオン源と同様な形状のものも試作した。これらの励起源を用いて、アルミナや窒化ケイ素、ジルコニアなどのファインセラミックス試料の質量スペクトルや発光スペクトルの測定を行った。質量分析では、試料中の主成分ならびに少量成分元素について質量スペクトルの測定が可能であったが、発光分析では主成分元素については測定できるものの、質量分析に比べ十分な感度が得られなかった。 上記の発光スペクトルの測定において、高周波電力やガス圧など放電の操作条件の変化による影響を調べた際に、目的元素の発光強度は高周波電力の増大に伴って大きくなった。しかし、高周波電力を高くすると放電が不安定になるという問題点があった。そこで、光源本体を十分に水冷できるようにし、また試料表面・陽極管の間隔を0.2mmから0.15mmに小さくしたところ、電力をこれまでの40Wから150Wにまで増大させても安定に放電を維持できるようになった。その結果、目的元素の発光強度を増大させることができた。また、高周波グロー放電を励起源とする従来の研究では、高い電力についてはあまり検討されていないため、高い電力時におけるセルフバイアス電圧やスパッタリングレートなど信号強度以外にもいくつかの特性について検討した。セルフバイアス電圧は高周波電力の増大に伴って大きくなったが、ガス圧によっても大きく影響を受けた。金属試料を用いてスパッタリングレートを比較したところ、150Wでも直流のグロー放電より低いことが分かった。ここでは、発光分光分析の観点からいくつかの特性について検討を行ったが、得られた知見は高周波グロー放電質量分析法のさらなる実用化に今後必ず役立つものと思われる。
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