C/Cコンポジットを含む黒鉛材料の高速飛翔体衝撃に伴なう損傷についての実験を行った。 高速飛翔体の打出しは、現有2段式軽ガス銃を改良して行った。2段式軽ガス銃は、超高速打出し(秒速3km以上)用であったため、ガス圧火薬量ならびにダイヤフラムを所望速度(秒速1.5km以下)打出し用に調整した。又、現有設備では、サボーとプロジェクタイルを充分に分離することができなかった。そこで、径が小さく長い分離板兼・サボーストッパーを用いて分離が行なえるように改良した。 損傷実験は、4mmφのMn-Znフェライト球を、直径65mm^φ、厚さ20mmの材料試片に衝突させて行った。秒速1.5km以下では、黒鉛試料には慣通穴は開かなかった。しかし、試料両面に円堆状の欠損が生じた。この欠損は、飛翔体速度ならびに試料により、その寸法が異っていた。同一形状のアルミニウム合金試料では、表面にフェライト球形状に相当するクレーターが形成されるだけで、欠損は認められなかった。黒鉛材料の方が衝撃損傷抵抗がはるかに小さいことが分った。 サボーとプロジェクタイルとの分離のための改良に手間取り、黒鉛材料の力学的性質と損傷との具体的な関係についての知見を得ることはできなかった。しかし、キ裂進展抵抗性の大きな黒鉛材料ほど、欠損が小さい傾向が認められた。
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