(1)シリカガラスへCuを注入することにより、3〜8nmの直径の銅のコロイドが生成することを電子顕微鏡で明らかにした。そして、Cuの濃度とコロイド径の関係を確立した。 (2)Cuコロイドを生成したガラスにFを注入すると、非球形の銅コロイドが生成することを見出した。見かけの色は“紫"であった。 (3)Pを注入することにより、アモルファスリンのナノメートルサイズのコロイドが生成することを見出した。加熱によりμmサイズまで成長し、バンドキャップに明瞭なシフトが観測され、量子サイズ効果の存在が示唆された。 (4)(3)のサンプルについて、縮帯4液混合法により3次の非線形光学感受率を測定したところ、〓1×10^<-6>esuという値を得た。これは従来報告されている材料の中でも最大級の値である。しかも、量子ドットが結晶半導体ではなく、アモルファスである。これは強調に値する発見であると思う。 (5)イオン注入で屈折率を上昇させるのに有効な方法として、SiとNの共注入によるSiONの生成を示した。単独ではSi-N結合は生成しないが、共注入で初めて生成することを明らかにした。 (6)コロイド生成が生じるための1つのクライテリオンを提案した。
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