研究概要 |
4種類の窒化ケイ素系セラミックス焼結体をホットプレスにより作製し、その表面に球状ダイヤモンド圧子を圧入し、そのときに発生する変形挙動と微細組織との関係を調べた。その結果、窒化ケイ素系セラミックス焼結体の球状圧子圧入による変形挙動は、焼結体の微細組織に大きく影響を受け、物性値だけでは論ずることができないことが判り、構造材料として使用する場合の設計指針となる知見が得られた。具体的成果は以下の通りである。 1.球状ダイヤモンド圧子の圧入により,球冠状の圧痕,ラジアルクラック,リング状のダメージが形成され,圧痕外周円付近には盛り上がりが観察された. 2.球状ダイヤモンド圧子により形成される圧痕の径は,ビッカース硬度と相関した.しかし,圧痕の深さは圧子圧入深さの1/6程度で、かつ,試料による差が大きかった.圧痕外周円の盛り上がりも試料による差が大きく,今後定量的議論が必要と考えられた. 3.圧痕周辺に発生するラジアルクラックの長さは,試料を構成する窒化ケイ素の粒径に支配され,平均粒径の大きい試料ほどラジアルクラックは長かった. 4.ヘルツクラックは,平均粒径の小さい試料のみに発生した. 5.圧子圧入-除荷履歴を求める装置を試作した。この装置により求めた圧入-除荷履歴曲線は、粒界相の量に依存することが判った。
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